獣医病理学者Shinのブログ

動物の病気あるいは死体の専門家からみた、色んな動物や科学に関すること

2018年08月

病理医が主人公の漫画「フラジャイル」の12巻が発売されました。

 

今回は病理検査の外注問題と、病理医1年目の宮崎先生のデビュー戦がテーマ。

 

病理医は患者と直接に接する機会が少なく認知度は低いですが、医療を陰で支えてくれる、
なくてはならない存在です。

 

臨床医が正確な臨床診断をするためには病理医の存在が不可欠ですが、
病理医が顕微鏡で正確な病理診断をするためには、
臨床検査技師の存在も絶対に無視できません。

 

この漫画は、一般の方の目に触れる機会が少ない病理医や臨床検査技師に
焦点を当てているところがすごいと思います。

 

病理医がどういうことをやっているのかは、実は臨床医やその他の医療従事者
にとっても分からないことが多いかもしれません。

病理医がどのように考え、ときに悩み、病理診断を下しているのか。

その意味でも病理医の日常を描くフラジャイルはとても意義深いものです。

 

フラジャイルでは複数の病理医が登場しますが、どの先生もかなり変な人です。

クセがあって考えも色々なのに、いずれの先生も言っていることは正論。

正論に対抗するには正論しかないと思わせるところも実に病理医らしいです。

 

私は獣医病理医かつ研究者ですが、人の病理医と共通するところが多く、
獣医病理の世界にも非常にクセがある先生が多いです。

フラジャイルで病理医が登場するたびに、この先生は獣医ではこの先生っぽい
などと当てはめながら読んで楽しんでいます。

 

病理医の大きな特徴の一つとして、病理診断を通して様々な専門の医師と
接する機会があるということがあげられます。

 

フラジャイルの見どころは、その特徴を活かして病理医から見た医療の現実、
様々な問題を知ることができるところにあります。
これまでもいくつかの社会的に重要なテーマが取り上げられてきました。

 

一般の方、そして医師をはじめ医療従事者にとっても学ぶところが多く、
かつ楽しめる漫画ですので、次巻も期待しています。

 

漫画のタイトルとなっているフラジャイルという言葉の意味も気になるところです。

Fragile=壊れやすい、もろい

様々な解釈があると思いますが、この漫画でもときどき垣間見ることができる、
病理医を通してみた医療制度の脆弱さ、というところにあるのではと個人的には思っています。IMG_5944

「食用を目的としたセミの幼虫等の捕獲はやめてください。

埼玉県川口市の公園に貼り出された看板が、先日ニュースで取り上げられ
話題になっています。

https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20180820-00000063-asahi-soci

 

セミの幼虫を食べると聞いてピンと来ない方も多いと思いますが、

アジア地域をはじめけっこう食べられているようです。

 

私の知り合いでは、ペットとして飼育しているトカゲに与えるために、
ときどきセミを捕まえているという方もいます。

 

世界各地で昆虫食の習慣はありますが、日本でも古くから昆虫を食べており、
戦中戦後の食糧が足りないときは貴重なタンパク源として昆虫を食べてきました。

 

長野県やいくつかの地域では、セミの幼虫だけでなく成虫も食用として
食べることがあったそうです。

イナゴやハチノコは現在でも食べられている地域があります。

 

多くの方は日常で昆虫を食べる機会がありませんし、昆虫を食べることに
抵抗がある方もたくさんいらっしゃると思います。

 

ですが、昆虫食は世界中で注目されており、決して他人事ではありません。

 

タンパク源として

現在、世界人口は急速な勢いで増加しています。とくに発展途上国の
人口増加が著しく、それらの国では急速に近代化が進んでいる国もあります。

近代化に伴って食の欧米化が進むと、タンパク源の不足が最も懸念されます。

 

このタンパク源を補うものとして、昆虫が注目されています。

タンパク源というと牛、豚、鶏などの食肉ですが、これらの家畜を飼育して
食肉とするためには、穀物をはじめ餌となるたくさんの作物が使われます。

食肉を生産するためには莫大なエネルギーが要ります。

 

その点、昆虫は養殖技術が確立されれば、コストが安く、エネルギーの観点
からも効率良くタンパク質を供給できることができます。

餌としての作物も必要としないことから、その分を人の食糧として確保することもできます。

 

家畜や養殖魚の飼料用として

家畜や養殖魚を飼育して食肉を生産するためにも、飼料としてタンパク源が
必要になります。これらも穀物や魚粉の代わりに昆虫を飼料として利用できれば、
飼育や養殖にかかるコストを下げる可能性があります。
とくに魚は現在世界中で需要が伸びており、養殖が注目されています。

 

昆虫食は未来の救世主?

近い将来、人口増加によって世界的に食糧が不足するときは
必ず来ると思われます。

日本では人口が減少の方向にありますが、食糧を確保するという点では
例外ではありません。
農業の衰退、気候の変動、輸入依存など、食糧危機の要因はいくつもあります。

 

日本は古来より多様な食材を利用し、多くの昆虫も利用してきました。

いま、あらためて昆虫を見直すときが来ていると感じています。

 

昆虫が様々な側面で見直され、養殖技術が確立されてくると、
今度は昆虫の大量飼育による病気の発生が予想されます。

病気で昆虫が失われると、大変な損失になります。

そんな事態が来るときのために、昆虫の体の構造や機能、
昆虫の病気についても勉強していきたいと思っています。

 

実際、爬虫類の餌として大量に飼育されているコオロギやミルワームなどの
昆虫では、時々感染症が発生することがあります。これが、餌として食べた爬
虫類や両生類に何らかの影響を与える可能性も否定できません。

 

昆虫はタンパク源としてだけでなく、昆虫の有効な成分を利用した
医薬品や健康食品などの可能性もあります。


一方、作物に害を与える害虫としての側面も
まだまだ解明しなければならないことが多くあります。

 

昆虫は、数の上では地球上で最も繁栄している生物です。


まだまだ未発見の昆虫も多くいると思いますし、私たちが多種多様な昆虫から
学ばなければいけないことはまだまだたくさんありそうです。IMG_5745

病理学をやっていると、「細胞」や「組織」といったキーワードが頻繁に出てきます。

 

病院にかかられた際、病理検査をして細胞がどうかとか、組織がこうなっている、
という説明を受けられた方もいらっしゃると思います。

 

生命の基本単位は細胞

すべての生物は、細胞からできています。

 

細胞という概念は、1665年、イギリスのロバート・フックまでさかのぼります。

フックは自作の顕微鏡でコルク片を観察し、コルクが多数の小室からできていることを
発見しました。

その小室を、小さな部屋という意味のCell(セル、細胞)と名付けました。

ただしフックが観察していたものは実際には細胞ではなく、細胞壁でした。

 

その後時代を経て、1838年にドイツのシュライデンが植物について、1839年に同じく
ドイツのシュワンが動物について、それぞれの体を構成する構造と機能の単位は
細胞であるとする、「細胞説」を提唱しました。
ただし彼ら二人は、細胞の起源は細胞の
内外にある、
細胞の元となる物質に由来すると考えていました。

 

1858年にはドイツのウィルヒョウが、すべての細胞は細胞から生じると唱えました。

細胞分裂によって細胞が増えていくという普遍的概念が確立され、
たった一個の細胞である受精卵が細胞増殖を繰り返して個体ができる、
すなわち「生命の基本単位は細胞」という考えにいたります。

 

私たちヒトでは、およそ37兆個(少し前までは60兆個と見積もられていました)の細胞
から体がつくられています。

これだけ膨大な数の細胞が存在するからには、むやみに細胞が配置されていると
きちんとした体ができません。

 

私たちが暮らしている町も、色々なお店や建物、道路によって成り立っています。

建物や道路がランダムにできてしまうと、町として機能できないですよね。

 

それと同じように、体も基本単位である細胞が、秩序を保って
役割分担や協調しながら成り立っています。

 

町に存在する建物が壊れたり老朽化してくるとリフォームや建て直しをするように、
細胞も分裂することで古くなった細胞を取り替えて、体の構造や機能を一定に保つように
できています。
これがうまくいかなくなると、細胞の老化や、自分の細胞に由来するけど
無秩序な増殖をする「がん細胞」ができてしまいます。

 

生物のつくられ方は、階層構造で考えると理解がしやすいです。

 

細胞 → 組織 → 器官(臓器) → 器官系 → 個体

 

同じような構造や機能をもった細胞が集まって組織をつくり、いくつかの組織
組み合わさって器官ができます。さらに同じような働きをする器官が器官系を形成し、
複数の器官系が寄り集まって個体が完成します。

 

細胞

皮膚の細胞、消化管の細胞、筋肉の細胞、血液の細胞など。
体を構成する全ての臓器は、固有の細胞から構成されています。

 

組織

上皮組織、結合組織、筋組織、神経組織の4つに分けられます。

上皮組織:働きによって、表面や内側を覆うもの、吸収するもの、分泌するもの、
      感覚を受け取るものなど。

結合組織:間を埋めるもの。線維や骨、軟骨、脂肪など。
           コラーゲンは、結合組織を構成する主要なタンパク質。

筋組織:骨格筋、心筋、平滑筋(内臓筋)。

神経組織:脳、脊髄、末梢神経。

 

器官(または臓器)

心臓、肺、脾臓、肝臓、歯、食道、胃、腸、膵臓、腎臓、卵巣、子宮、精巣、脳、
骨など。血液は液体ですが、全身を循環する一つの器官とみなすこともできます。

それぞれの器官は、上にあげた4つの組織が組み合わさって形成されています。

 

器官系

同じような働きをする器官をまとめて、器官系といいます。

循環器系、造血器系、呼吸器系、消化器系、泌尿器系、生殖器系、脳神経系、
内分泌系、筋骨格系、感覚系など。

 

個体

上記の器官系がそれぞれの場所に配置して、個体、すなわち私たちのカラダができています。

 

下記の参考資料にあげたトリセツ・カラダ(海堂尊さん著書、ヨシタケシンスケさん絵)
は、私たちのカラダを構成している臓器の構造と機能について、
一般の方にも非常に分かりやすく解説されています。

勉強になるだけでなく、読み物としても非常に楽しめてオススメです。

 

細胞 → 組織 → 器官(臓器) → 器官系 → 個体

という段階を経て、生物のカラダはできていますが、

細胞も細かく見ると核や色々な細胞内小器官があり、それらもタンパク質や脂質、
炭水化物などから成っており、突き詰めると原子、さらには素粒子にまで行きつきます。

 

個体から大きく見ていっても、個体がいくつか集まって個体群をつくり、様々な生物が
関わって生態系を形成して大きな地球がありますし、さらにそこから宇宙にまで広がります。

 

素粒子から宇宙までかなり壮大になってしまいましたが、すべては連続しています。
そのうちどれを欠いてしまったとしても、めぐりめぐって私たちの身近にも影響を
及ぼしてしまうことになるかもしれません。

 

どの学問分野にも共通していることですが、近年学問はどんどん枝葉に分かれて
細分化が進んでいます。

学問の発展のためには非常に重要なことですが、細かいところをみるのと同時に、
常に全体を見渡す視点も忘れないようにすることが大切だと思います。

 

獣医病理学は、ヒトや様々な動物との比較をしたうえで、
分子や遺伝子レベルの異常から、病気の診断、個体の死因、
さらには病気の流行といった集団レベルの異常も扱っています。


非常に小さいところから全体を見渡す橋渡し、ヒトと動物と環境の架け橋、
さらには様々な学問分野の統合を、獣医病理学の視点から担っていきたいと思っています。
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2018年8月15日は、73回目の終戦記念日です。

あれから73年が経つことを考えると、戦争を経験された方のお話を直接聞ける機会も
だんだんと少なくなってきていることを実感します。

 

亡くなった多くの方々を追悼し、当時の戦争を振り返ってあらためて
平和を祈りたいです。

 

先の大戦では300万人を越える方が犠牲になりました。

民間人や子どもも含め、本当にたくさんの方が亡くなりましたが、

動物にとっても多大な犠牲が伴いました。

 

動物園の動物

戦時中の動物園では、空襲によって猛獣が逃げ出して町中がパニックに陥らないように、
たくさんの動物が毒殺されました。

戦争時の動物に直面した悲しい事実として誰もが知っていると思います。

 

毒殺だけでも十分苦しんだことが想像されますが、実際には異変を感じて食べなかったり、
量が足りずに苦しんだ動物も多かったようです。

そのような動物には、銃殺、ロープによる絞殺、槍や刀剣による刺殺、ツルハシによる撲殺
など、何段階かの方法によって殺処分され、何重もの苦痛を受けた動物も少なくありません。

 

また、多くの動物たちが餌不足などで衰弱死していきました。

戦争という理由で処分される動物もさることながら、大切に飼育してきた動物の死にゆく姿を
ただ見つめるだけでなく、実際に手にかけた動物園関係者の苦渋の決断も計り知れません。

 

日本では、地方自治体が運営する動物園が多いのが特徴です。

これは、先の大戦によって多くの動物を犠牲にしたことの反省、そして戦後の暗いムードが
漂う市民に元気と活力を与えることを目的に、自治体が動物園を運営したのが始まり、

という記事を以前どこかで読んだことがあります。

 

過去の動物たちの犠牲、そしてその後の平和があって今の動物園があります。

多くの動物園には、動物慰霊碑がひっそりと建てられています。

動物園を訪れた際には、生きた動物だけでなく、亡くなった動物にも目を向けて、
手を合わせていただきたいと思っています。

 

軍用動物

戦争では、動物園で多くの動物が犠牲になったことはよく知られていますが、
人とともに戦争に参加した動物もたくさんいます。


古代から第二次世界大戦まで、馬は騎乗や馬車、物資の輸送手段として貴重な存在でした。
馬の優劣や保有頭数が戦争の勝ち負けを決める重大な要素となったことから、
馬は国にとって貴重な財産です。

「獣医学の歴史」は「馬の獣医療の歴史」といっても過言ではありません。

 

日本の近代獣医学は明治に入ってから始まりますが、そのときに最も力を注いだのが
畜産の振興と軍馬の育成です。


第二次世界大戦までは陸軍獣医学校があり、陸軍獣医官とともに戦地に赴いた馬が
たくさんいました。

実際の数は分かりませんが、動物園で殺処分された動物の数以上の馬が戦争によって
犠牲になったことは容易に想像がつきます。

 

軍馬のほかには、軍用犬、伝書鳩としての軍鳩も戦争では利用されました。

731部隊をはじめ、実験用として犠牲になった動物も計り知れないと思います。

 

その他の戦争で犠牲になった動物たち

動物園、軍用動物以外では、ペットとして飼育されている動物も戦争に利用されました。

あらゆる物資や食糧が不足した戦争末期には、毛皮用として犬、ウサギ、猫まで
供出されたと聞きます。

また、毛皮や食用など戦争と関連した理由でウシガエル、ヌートリア、アメリカザリガニ
など多くの動物が国外から日本に持ち込まれ、
現在では外来種として定着して問題になってもいます。

 

戦争では、無関係の人だけでなく、多くの動物の犠牲もつきものです。

それが自然環境や生態系の破壊につながり、めぐりめぐって私たち人に
さらなる悪影響を及ぼします。

私たちは、様々な命によって生かされてる事実と謙虚に向き合う必要があり、
日々感謝して生きていかなければならないと痛感します。


あらためて戦争で犠牲になった方々、そしてたくさんの動物たちを追悼し、
平和を祈念します。

 

最後に

1943年秋に、上野動物園での動物慰霊祭が行われるのに先立ち、
動物園に送られてきた作者不明の追悼の歌が印象的でしたので、資料から抜粋します。

「来る世は 人に生まれよ 秋の風」 (動物園の昭和史より)IMG_5694

先週、中国の養豚場で、アフリカ豚コレラが初めて発生したと報じられました。

アフリカ豚コレラって獣医師は国家試験に出るので誰でも名前は
知っていますが、一般の方にはなじみがない病気かもしれません。

 

アフリカ豚コレラは、豚やイノシシが感染するウイルスによる感染症です。

人に感染することはありません。

似た名前の病気に「豚コレラ」というのがあり、豚コレラもウイルス感染症ですが、
アフリカ豚コレラとは全く異なるウイルスによる病気です。

ともに全身性の出血が起こることがあり、症状や病変はときに非常によく似ています。

 

アフリカ豚コレラが恐れられているのは、(豚コレラも同様ですが)、
致死率や伝染力が極めて高く、万一養豚場で発生した場合、多数の豚が犠牲になる
可能性があります。

そのため、ともに家畜伝染病予防法によって法定伝染病に指定されており、
万一発生が確認された場合には強力な措置が取られます。

 

近年、国内では養豚農家が減っている一方、一つあたりの養豚場で飼育されている
豚の数は増えており、大規模化しています。

養豚農家にとって貴重な財産である豚を失うことは、廃業につながる可能性も
あることから、何としても食い止めなければいけません。

 

消費者にとっても人には感染しないとはいえ、豚の病気によって豚肉の供給が減れば
値段が上がり、家計に直結します。

ちなみに牛肉、豚肉、鶏肉の中で、豚肉は世界中で最もたくさん食べられている食肉です。
世界的な人口増加、発展途上国の急速に経済発展により、
豚肉の需要は今後も伸びていくと思われます。

そう考えると、養豚農家の役割って非常に大きいものだと理解できます。

 

アフリカ豚コレラは日本では発生がなく、清浄国です。

もともとはサハラ砂漠以南のアフリカやヨーロッパの一部の地域に常在していた豚の
感染症ですが、2007年にロシアで発生が確認されて以降、東ヨーロッパを中心に
発生地域が徐々に拡大しています。

 

農林水産省のホームページでは、アフリカ豚コレラに関する情報が提供されています。

http://www.maff.go.jp/j/syouan/douei/asf.html

 

2010年に宮崎県で口蹄疫が発生した際には、それに先行して韓国、中国、ロシアなど
でも口蹄疫が発生しており、アジア地域から口蹄疫ウイルスが侵入したことが疑われています。

今回のアフリカ豚コレラの事例でも、日本は清浄国だからと安心はできません。

 

養豚や獣医関係の方に対しては、海外に旅行する際には家畜と接触したり、
飼育施設に立ち入ったりすることに細心の注意が必要です。体や物に付着した病原体を
国内に持ち込んでしまう恐れがあるからです。

 

一般の旅行者にとっても、知らないで持ち込んでしまった肉製品をはじめとする
畜産物が病原体に汚染されていた場合、病原体も一緒に国内に持ち込んでしまう
可能性だってあります。

近年ではとくにアジア地域から訪日される方も増えていることから、
侵入のリスクは一層高まっています。

 

家畜(産業動物)の病気を予防することは、家畜自身や農家のためだけでなく、
私たちが毎日必要なタンパク源としてお肉を食べるためにも重要です。
まさに国民の安全な生活に直結しています。

 

海外から家畜の病気が侵入するのを、日々水際で防いでいる「家畜防疫官」という獣医師がいます。

農林水産省の動物検疫所という施設が全国の空港や港にあり、生きた動物のみならず、
あらゆる畜産物の検査を行って、海外からの感染症の侵入を防いでいます。

 

国内で飼育されている家畜に対しては、各都道府県にある家畜保健衛生所にいる
「家畜防疫員」という獣医師が、家畜の病気の予防や診断、発生した場合の迅速な措置を
担当しています。

 

以前食中毒に関する記事(http://vetpath.blog.jp/archives/10938176.html)で紹介した
「と畜検査員」や「食品衛生監視員」としての獣医師と同様、
食品の安全を守る極めて重要な役割を果たしています。

 

「食べる」ということは、私たちが生きていくうえでの根幹をなしているものです。

私たちが毎日食べている食品の安全を守るために、今日も様々な立場で陰ながら活躍している獣医師がいます。IMG_2785[1]

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